物語教材の特性

物語には特性があります。

物語は主役の(気持ちや行動の)変化を通して主題を伝えようとする

主役が最初から最後まで何も変化しないのでは面白くありませんよね。

ただし若干の例外があります。

例えば、「かさこじぞう」の主役であるおじいさんは最初から大きく変化することはありません。

実は、民話は主役の気持ちや行動が変化しないことが多いのです。

では、主役の何が変化するのか。

それは「主役の身の上」が変わります。

おじいさんは物語の最初は「貧しい生活」を送っていましたが、最後は「裕福な生活」への身の上が変化しています。

話を戻しますが、物語の特性が主役の変化を通して主題を伝えると言うことであるならば、授業でやるべきことは、物語の主題を解釈させることであると考えています。

ここで主題という言葉を出しましたが、主題の考え方には大きく2つあります。

1 作者論

2 読者論

主題はどこにあるのかと言う視点です。

書き手の作者が伝えようとしたことを主題とするのか、読み手である読者が解釈したことを主題とするのかということです。

作者論で進めると作者研究が中心になり、読者論で進めると作品(文章)研究が中心になります。

私は大学で文学部文学科でしたが、講義の多くは「作者論講義」でした。

そう考えると、小学校での物語指導は読者論でいく方がよさそうです。

作品を子供が解釈していく授業

です。

さらに、読者論がいい理由があります。

記号論になりますが、言葉はその人の経験と結びついて解釈されます。

例えば、雪を見たことのない(経験したことのない)人にどんなに「雪」を説明しても見た人とは解釈が変わりますよね。

物語の言葉に対する経験は人それぞれ違います。当然ですね。

読者論は一人一人の(言葉の集合体としての)物語の解釈を保証するからいいのです。

勝手に読んで解釈すればいいということではありません。

正しい読み方を教えて、その上でどう解釈するのかは本人に委ねます。

これは作者論ではできない指導となります。

その読者論としての物語指導法・・・また書きます。

YouTubeにも具体的な形で上げていく予定です。