物語教材の指導法2 登場人物と主役 ①

物語教材の指導法の第2回目である。

1・2時間目は「スラスラ読めるよになるまで音読」という活動であった。

3時間目は「登場人物と主役」の検討である。

物語とは主役の変化を通して主題を語る特性があった。

したがって、主役を中心に物語を検討していく必要がある。

主役(主人公とも中心人物ともいう)も登場人物の中の1人である。

まずは登場人物を全て書き出す活動からはいり 、登場人物が確定したらその中から「主役」を確定していく。

最初に登場人物とは何か、定義を子供に教えておく。

物語に登場し、喋ったり、考えたり、行動したりする人や動物やもの

作中場面に登場しなければそれは登場人物とはいえない。

思考、行動する。人とは限らない。ごんぎつね、残雪などは皆動物である。ものとは、トイストーリーのウッディーなどがそれに当たる。

子供たちには、併せてこう教える。

もしこの物語を劇にするとして、その役が必要であれば登場人物である。

私はこの定義を採用している。人によっては多少違うだろう。

大切なのは指導する教師が明確な解をもっていることである。

授業展開としては、最初の物語の授業では定義を教えずに登場人物を列挙させ、一人一人検討していくというやり方もある。

ただし、この場合は授業が這い回りやすい。登場人物とは何かという「観点(定義)」がないのだから当然である。

登場人物の定義に照らし合わせれば済むことなので、私の実践では最近はあまり時間をかけなくなった。

話を戻そう。

「この物語の登場人物を全部ノートに書き出しなさい」

こう発問してノートに列挙させる。教科書を見ざるを得ない発問だ。

よい物語の授業の条件は「教科書を何度も読まざるを得ない授業」である。

テキストを正確に精密に読まなくても答えられる発問は国語の授業としては弱い。(気持ちを問うような授業である。)

ちなみに、3年生(光村3上)の4月教材「きつつきの商売」は登場人物の学習にピッタリの作品である。

話を戻そう。(2回目w)

登場人物なのか違うのか一つ一つ考えさせるのだが、意見が別れたものだけ扱うとよい。

ただし、前述の通り、登場人物で時間をあまりかけずに簡単に扱うことがよい。

一通り意見を言いたい子には言わせ、教師が定義を根拠に解説してしまう。

こうして登場人物が確定したらいよいよ主役の検討に移る。