物語教材の指導法7 主題の解釈①低学年編

ここまでの授業での作業は単に「物語の主題を解釈させる」ためである。

主題の解釈のさせ方にはいくつかの指導法がある。

今回は低学年の場合の指導法について述べる。

低学年の子供に「主題の解釈」はやや高級である。

前回までの「主役の変化」と「主役を変えたもの」までまとめられていれば十分だろう。(その上であえて高級な挑戦をすることも認める。)

通常、低学年では、

この物語を一文で要約する

ことで終了することがある。

つまり、これまでの学習を踏まえて次のアウトラインでまとめさせる。

はじめ( A )だった(主役名)が(変えたもの)によって( B )な(主役)に変わった話。

AとBには主役の変化を書く。

(変えたもの)は主役の変化を促した要因である。

こうすると、例えば、

はじめ歌ったり遊んでいたキリギリスが油断の心によって食べ物がなくて困るキリギリスに変わった話。

とまとめることができる。

ここで単元は終了でよい。

でも、ちょっと聞いてみてもよい。

このお話はキリギリスの変化を通してどんなことをみんなに本当は伝えようとしたのかな。

中には分かる子もいるのでその子の主題を紹介して終えてもいいだろう。

主題(主想)とは明示されていないものだから、主題文を書かせる際は「物語の中で使われている言葉は使わない」ようにするのが原則である。

次回はそのことを高学年の主題指導として述べていく。