素敵な管理職との出会いは幸運だ
34年間教職に就いていました。
私には忘れられない管理職がたくさんいました。いろいろな意味で。
いわゆるMP(モンスターペアレンツ)が校長室に怒鳴り込み、
「村野という教師はとんでもない教師だ」
と訴えてきたとき、当時の校長先生は、
「村野は東京で一番いい教師です。そんな教師ではありません。」
と伝えたそうです。
なぜそれを私が知っているかというと・・・
そのMPさんが私に語ったのでした。
本当にありがたいことでした。
さらにこの校長先生のエピソードで忘れられないことがあります。
この時の学年の子供達はなかなか元気がよく、トラブルは日常茶飯事でした。
6年生の最後の社会科見学に行った際、私の学級の子が他の学校の子とトラブルを起こす事件が起きました。
私が発見したときには相手方の学校の女教師が凄まじい形相で私の学級の子を叱りつけていました。
周りは物凄い人集りです。
私はその中に入り、事情を聞いたのですが、興奮した女教師は怒鳴り散らし、私の学級の子を罵倒するのです。
とにかく私が謝り、本人もやっと謝罪したのでとりあえずこの場は納まりました。
私はその後、一緒に引率に来ていた校長先生のところに報告に行きました。
通常、こんな時、校長先生は「私からも一言お詫びを申し上げなくては」という感じになろうものです。
ところが、この校長先生はこう私に言いました。
「その女をここに連れてこい!」
こんな素敵な校長先生はなかなかおりません。
授業観察(管理職が定期的に教員の授業を参観し指導する)の後のコメントでも、スキだらけの私の授業をいつも褒めてくださいました。
「名人芸だ」
さらに、体育が専門の校長先生でしたので、
「授業してやるから見ろ」
と自ら範を示す方でした。
こういう管理職と働けることは本当に幸運無ことです。
私が尊敬する管理職は、
職員を守る
ということを体を張って実行する人です。
それが管理職の1番の仕事だと思います。